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国立東京高専 特任客員教授 菊地章先生が モンゴルで理科教育の啓蒙活動を実施

   2015316日~330日の間、国立東京高専特任客員教授 菊地章先生が「モンゴル高専」を訪れ、同校での高専教育の現状を視察されました。日本式高専教育がモンゴルに真に浸透定着する様、何か具体的支援を個人的にでも行いたいとの熱い思いから、訪問されたものです。
  先ず、IETの化学実験室を視察され、実験設備の状況や、必要とする教材の実情等の把握に努められました。そして、化学の教員に対してデモ実験を行い、器材がなくても行える実験について説明指導をされました。その後、モンゴル高専、モデルクラスの学生たちにもデモ実験を行い、学生達の科学への興味関心を高め喚起する授業をされました。
  菊地先生のデモ実験の特徴は、一つの実験に対して複数の回答を用意し、そのうちからどれかを選ばせた後、なぜかを訊かれます。最後に、実験をして正解を示すものです。なぜかの理由も付け加えられます。教師も学生も経験したことのない素晴らしい実験・授業に感動していました。
  先生は、日頃、日本で理科教育の普及推進に尽力されています。その経験を踏まえ、滞在期間の合い間を縫って、日本での活動と同じように、中学生がものづくりや科学的知識に興味を持ち、高専入学を目指すよう、現地の中学校へ出向き、理科教室を開かれました。これには、「モンゴル高専」の中西・西山両先生と、通訳としてムンフバヤル副校長先生(福井高専卒)、ウルジーさんも同行しました。西山先生も生徒たちにテスターを使った理科実験をして見せました。菊地先生と西山先生が演じて見せる実験に、生徒たちは驚きにも似た真剣な眼差しで見入っていました。
  なお、中西先生は、ものづくりを主体とした教室を開かれました。生徒たちは、ものづくりや、その協同作業の、楽しさ・喜びを知りました。この「ものづくり教室」と「理科教室」の体験を通して、「モンゴル高専」への進学を心に決めた生徒達も多数いることでしょう。彼らが入学して来る9月の新学期が楽しみです。
  菊地先生は、IET,モンゴル高専の要望を受けて、一旦日本へ帰国された後、再度「モンゴル高専」へ赴かれる予定です。

①化学教師4人へのデモ実験 (IETの化学実験室にて)
    


②ウランバートル第一中学校を訪問。
  左から ムンフバヤル先生、菊地先生、第一中学校の教頭先生、西山先生、同校の教務主任、中西先生
     
 
③ウランバートル第一中学校での菊地先生の
実験授業の様子
   
     
   


④真剣に菊地先生の実験を見つめる生徒達。目が釘付けになっています。
   


⑤中学校の先生方も興味津々
   


⑥西山先生の電気テスターを使った実験授業。
  黒板には「百聞は一見に如かず」とあります。他のクラスの生徒たちも一寸覗いて見学。
   

   


⑦中西先生のパスタを使ったものづくり授業
(教壇右は、通訳のウルジーさん)
   


⑧二人ずつのチームを作り、
60分でパスタブリッジを完成させる。
  


⑨完成したパスタブリッジに重りを載せる実験
  


10チームのうち、1チームだけが重りに耐えて成功
  

 最後に、熱心に全員が取り組んでいたことを褒め、ものづくりは失敗がつきもの、失敗を繰り返して成功するものと激励。ブリッジが壊れるかどうかは理論計算でわかること、モンゴル高専では上級生になるとその勉強をすると言って、中西先生は、この授業を締め括られました。
                                                                                                                  以上