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『モンゴル見聞録』(ある短期派遣教師の手記)⑫

『モンゴル見聞録』 田中伸幸先生の手記
( 2014.2.6~2014.2.27 派遣 新ひだか町職員、苫小牧高専OB)

2月27日(木)

 目覚ましがなっているけど、なかなか起きられない。何度もなっているけど右耳付近がすごく痛い。何とか起きて中西先生に相談に行ったところ体温計を貸してくれてバフッファリンをいただいた。10:00頃まで休んだら、痛みは消えたので、何とか出勤することが出来た。
 大学を視察に来られていた大臣に、日本から来ている講師として紹介していただき、また、学長と大臣一行と昼食をVIPルームで昼食を緊張しながらご一緒させていただいた。
 その後、学長室に呼ばれ、感謝のお言葉をいただき、高級アルヒとお土産までいただいた。
 14:20からモンゴルでの最後の授業となる、大学道路科2年生への舗装についての講義。今度来るときは暖かいときに来るよう学生に言われ、少しその気になってしまった。

大臣ご一行様と昼食 学長からのプレゼント

      

 講義終了後、送別会の予定だったが、体調がすぐれないのでお断りし、部屋に戻り休んでいるとドアが何度もノックされているような気がしてドアを開けると、西山先生、中西先生が立っておられ、強制的に病院に連れて行かれた。18:00過ぎにも関わらずオトゴンさんも付き添ってくれて、先生の診察後、点滴を受けて体は少し楽になった。ウイルス性の風邪のようなものという診断だった。日本とは違い、点滴も飲み薬も調剤薬局から買ってこなくてはならず、オトゴンさんがいなくては、病院にもかかることが出来なかった。ありがとうございました。
 寮に戻ると中西先生が夕食を作ってくれた。うれしくて涙をながしながら美味しくいただいた。
 

 
暖かいもつ鍋定食 3 週間で一番美味しかった  

 

2月28日(金)

 帰国の日。4:30頃起床し荷物の整理。熱はなさそう。何とか帰れるか?6:00にオトゴンさんが迎えに来てくれ、空港へ行く途中、車を止め誰かを待っている。誰が来るのかと思ったら、ビルグーン先生がやってきて私にお土産を手渡してくれた。若くて頭の良い人なので、日本でコンクリートについての勉強をしてもらい、正しい知識を身につけてもらいたい。
 空港ではバタバタだった。荷物は重量オーバー、液体物をスーツケースに入れていない、ロビーで荷物の入替。重量調整の繰り返し。オトゴンさん、見送りに来てくれた西山先生、ごめんないさい。何とか荷物を預けることが出来たと思ったら、保安検査所で手荷物が引っ掛かった。奥から怖そうな人が二人来て、「バックを開けろ」と言われたので 、言われたとおりにバックをあけると、市場で購入した岩塩を手に取り私の顔を睨みつける。いざとなったら領収書を「ドバーッ」と出して購入したものだと突っ張る予定だったが、少し様子が違う。確実にヤバイ。逮捕?と思ったら、セルゲレンさんのお友達のダムディンバヤルさんが来てくれて、一言で話しを付けてくれた。その場では問題は解決したと言ってくれたが、後で聞いたところ覚せい剤所持の疑いがかかっていたらしい。自分一人では間違いなく逮捕・取り調べ・身柄拘束・帰国出来なかったかもしれない。
 その後はビジネスクラスの待合室に案内していただきジュース等をいただいた。これもセルゲレンさんの手配なのかな?と思いながら、体調不良でビールが飲めなかったのが今でも悔しい。
 帰りの飛行機では、またビーフ or チキンと聞かれたのでチキン!と答えたらやっぱり「とり丼」が出てきた。体を温めるために赤ワインと一緒にいただき、ぐっすりと寝むることが出来た。

国際線の案内 とり丼

 
 

 千歳空港には妻が迎えに来てくれていた。仕事終わりで疲れているのにありがたい。
 自宅に到着したのは22:30頃。6:00に寮を出てから16時間30分、近いようで遠い。これで約3週間のミッション完了。ご苦労さんでした。

【帰国後】
 

 翌日、かかりつけの医者に診察に行ったところ、インフルエンザの疑いで検査を行ったが、陰性。血液検査とレントゲン検査等でマイコプラズマ肺炎との診察を受けた。その後転院はしたものの、入院することもなく、帰国後1週間程度で症状は落ち着いた。
 モンゴルにいた時から聞こえにくかった右耳は、中耳炎になっており、内耳まで菌が廻っているらしい。治療は長引くらしいが、ゆっくりと治療して行こう。
 この3週間、今までに経験することの出来ない多くの経験をさせていただいた。今後、日本式高専を具体的に立ち上げていく中で、様々な問題点が生じて来るとは思うが、中西先生、西山先生の豊富な経験と知識で、きっと素晴らしい日本式高専が誕生することを信じている。
 皆さんと一緒に仕事が出来て幸せでした。ありがとうございました。